愛知県で開催されている「歌川国芳展」(前期)へ行ってきました。
武者絵、役者絵、猫の戯画、妖怪、美人画など展示数はかなり多く(入れ替えして400件)、とても見応えのある展覧会でした。
さらに撮影OKの作品もあったのでスマフォ持参でいくことをお勧めします

歌川国芳は1798年〜1861年を生きた浮世絵師。
江戸時代後期、幕末直前のエネルギーに満ちた時代を生きた人物です。
浮世絵というと「昔の絵」という印象がありますが、実際は当時のエンタメ文化そのもの。
歌舞伎役者は今でいう人気俳優やアイドルのような存在で、浮世絵は“推しグッズ”や“芸能ポスター”の役割を持っていました。
今回展示されていた巨大な役者絵も、まるで映画の決めシーンのような迫力があり、静止画なのに動きを感じる作品ばかりでした。

特に面白かったのが、身体の誇張表現。
肩幅を大きくしたり、腕を太く描いたりすることで、“強さ”や“存在感”を演出している。
現代漫画やアニメにも通じる感覚で、「今の日本カルチャーの原点ってここにあるのかもしれない」と感じました。
また、国芳の猫作品も非常に印象的でした。

実は当時、幕府が行った「天保の改革」により、人気歌舞伎役者を描くことが規制されていました。
そこで国芳たちは、猫を人間のように擬人化し、
「これは猫ですよ」

という形で、実際には歌舞伎文化や流行を遊び心たっぷりに描いていたそうです。
今でいうと、SNSミームやパロディ文化のような感覚だったのかもしれません。
背景を知ることで、一気に作品が立体的に見えてきます。
さらに今回の展覧会を見ながら感じたのが、葛飾北斎との違いでした。
北斎は“自然と構図”の天才。
一方、国芳は“キャラクターとエンタメ”の天才。

巨大骸骨、妖怪、武者絵などを見ていると、現代漫画やゲーム文化の源流を感じます。
特に《相馬の古内裏》の巨大骸骨は、今見てもかなり迫力がありました。
骸骨を画面からはみ出させる大胆な構図や、暗闇から現れる演出は、まるで現代映画のよう。

国芳は西洋絵画や遠近法の影響も受けていたと言われており、だからこそ今見ても“映像的”に感じるのかもしれません。

今回の展覧会は
浮世絵というより、“江戸時代の巨大エンタメ文化”。
背景を知ることで、一気に世界が立体的に見えてくる、そんな展覧会でした。
そして、最近は北斎の娘・葛飾応為(おうい)も気になっています。
応為は、北斎の娘であり弟子でもあった女性絵師。
近年かなり再評価されている人物です。
特に女性の描写や“光”の表現が素晴らしく、静かな空気感があります。
北斎が「外へ向かうエネルギー」なら、応為は「内面や感情」を描く人という印象。
江戸時代の絵なのに、映画のワンシーンのような空気感があります。
最近Netflixなどでも紹介されている『おーい、応為』は、そんな葛飾応為を描いた作品。
天才絵師・北斎の娘として生きながら、自身も高い才能を持っていた応為。
しかし当時は女性絵師が表に出にくい時代でもあり、父・北斎の影に隠れながら生きていました。
物語では、
- 絵に人生を捧げる北斎
- 父に振り回されながらも絵を描き続ける応為
- 江戸の町の空気
- 女性として生きる苦しさ
- 絵師としての葛藤
などが描かれています。
派手な物語というより、“静かな熱量”を感じる作品。ただただ、絵を描くことが好きで上手くなりたい。そんな親子のお話でした
お時間ある方は、Netflixで紹介されている『おーい、応為』観てみてください
歌川国芳展の詳細はこちらです
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歌川国芳展-奇才絵師の魔力
| 会場:愛知県美術館(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階) |
| 会期:2026年4月24日(金)~6月21日(日) ※会期中展示替えあり(前期:4月24日~5月24日、後期:5月26日~6月21日) |
| 開館時間:10:00~17:00、金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで) |
| 休館日:月曜日(ただし5月4日[月・祝]は開館)、5月7日(木) |
| 観覧料:一般 1,800円、大学生 1,000円、高校生 800円 ※中学生以下無料 ※上記料金で本展会期中に限りコレクション展も観覧可 ※心身に障がいのある方とその付き添いの方(1名)は無料 |
| アクセス: 地下鉄東山線・名城線「栄」駅/名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、 いずれもオアシス21連絡通路利用徒歩3分 |
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